嚥下(えんげ)障害を98才で克服…大阪日日新聞 コラム 掲載記事 「歌の力」で母に恩返し 守田 悦雄


大阪日日新聞 コラム 散歩道「歌の力で母に恩返し」は、100歳近い年齢、介護度5 で、嚥下(えんげ)障害を「歌の力、声の力」で克服させた内容です。

また、老人ホーム(たのしい家 深江橋)に恵まれて、施設の優しいスタッフの皆さんの介護を受け、人生最後の夢・目標を意識させて生活をしている内容です。

人生最後の恩返しと思い寄り添うことによって、これからの介護・老後のあり方などを考え、学ぶことができる絶好の機会となりました。

視点・立場をかえて得たことは、何れかの機会に、これまで歩んだビジネス人生と異なる社会貢献・恩返しとして提言・提案すれば、更に高齢化社会を迎える時に、少しは「人は人のために生きてこそ人」の真似事ができるものと考えています。

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「歌の力・声の力」で奇跡的に嚥下(えんげ)障害を克服することに成功。



~真心と優しさのこもった介護スタッフに感謝・感謝…~

カステラを食べる
体操する
マフラーを編む
書く



唄う
歌詞
ぼけたらあかん長生きしなはれ

 


~頭脳の衰えを防ぎ、生きる楽しみなどを意識させるために実施してきたこと~






























実施例
 字を読むことが好きで、視力があるため、生い立ち・本人が歩んだ人生、また本人の興味・関心のあることを簡単に纏めて、裏・表に書き、これを読ませてきました。

紙の始めの行に
 「この紙には、◯◯◯◯さんのことが書いてあります。読みましょう。読むと元気になります。」と書きます。

紙の最後の行に
 「この裏側にも、◯◯◯◯のさんのことが書いてあります。読みましょう。読むと元気になります。」と書きます。

 内容は、本人の歩んだ人生、また興味・関心のあるものですから読みます。裏側も読む気持ちが生まれて、何度も裏返し、読んで過ごすこともできます。

 特に、文章を作成する時は、本人の興味・関心のあること。これまで、経験してきたこと。記憶に残っているキーワードなどを必ず入れています。

 この紙を作成して読ませて、骨折手術の痛みを軽減させることに役立ちました。
 また、肺炎と闘っている時も、苦しさを忘れて読んでいました。好きな編み物もさせていました。

 薬効と「生きる力」などで、余命1カ月の宣告を乗り越えました。

 好きなこと、自分の生きた思い出、これからの楽しみごとを見つけ、それを常に話し・聞かせることは「生きる力」となります。

 今、施設生活においても、童謡・唱歌の歌詞の紙と共に、その時どきに作成した文章を、初めて見るような気持ちで読んでいます。

文章を読む
食べるのを忘れ、文章を読む


 

 どなたでも、必ず訪れる老後、また必ず家族の老後に関わる時がきます。老後・介護は、それぞれ家族・家庭状況が全て異なります。
ただ、共通することは、介護する方は利他の心で行う愛であり、大変なことです。まさに身(行動)口(言葉)意(心)の一致の人生修行。

 この情報・事例などが、少しでも介護の参考になれば幸いです。  守田 悦雄・㈱モリタ食材開発研究所 情報資料室
                                                                      2016年6月3日作成



旅立ち・感謝
毎日、ふるさとのお墓参りに帰ることを夢・目標として持たせて、楽しみにして過ごしていましたが、静かに旅立ち(享年102歳)人生を終えました。
長き人生で出会いお世話になりました皆様に感謝いたします。
特に、有料老人ホーム「たのしい家 深江橋」のスタッフの皆様に、大変お世話になりまして、心よりお礼申し上げます。



 

~安心・安全な介護付き有料老人ホーム・施設(たのしい家)と
寄り添う医療・施設(医療法人 慶春会 福永記念診療所)の24時間・安心介護連携体制に感謝・感謝…~

たのしい家 深江橋 全景
たのしい家 深江橋 食堂
~株式会社 ケア21は、高齢者と障がい者の皆様に質の高い介護と生きがい、楽しみを提供する文化創造企業です~


大阪日日新聞 コラム 散歩道

 「歌の力」で母に恩返し

食事を口から食べる。この当たり前のことが「歌の力」で嚥下障害を克服した。

母が97歳の時、2度目の大腿骨骨折と肺炎を患い、点滴でしか栄養補給ができず、症状からして余命1ヵ月と宣告を受けた。

肺炎はおかげで奇跡的に治ったが、嚥下障害・誤嚥の問題が出た。栄養補給は点滴、または胃ろうのいずれかの選択を告げられ、三食を直接、ビニールの管で胃に入れる胃ろうを選んだ。

退院後、施設でお世話になり一人だけ食事とおやつの時間も皆さんと一緒に食べることができない胃ろう生活がスタートした。

食べる喜びは、施設生活で最も楽しみにしていることである。それができない姿を見ているとつらくなり、何とかいなければいけないと考えた。

童謡・唱歌で育った時代・年齢であり、日頃から一緒に歌っていたので、「歌の力」を借りて、嚥下障害を克服することができないかと考えた。

毎日、できる限り施設に行き、日頃から歌っていた歌詞を集めて資料を作り、それを使い一緒に歌うことにした。歌う前には必ず「声が出なくなったら大変だ。だから歌って声を出す練習をしよう」「歌うと元気になります」などと毎回納得させてから、一緒に歌い、また「ぼけたらあかん長生きしなはれ」とうい文章を読ませ、歌の力・声の力を試した。

歌い・読ませると唾液がいつもよく出るようになった。唾液を何の問題もなく飲み込むのを感じて、もしかすると嚥下障害が改善したのではないかと考えるようになった。

この方法を続け、ある日、粘度のあるヨーグルトを小さじスプーンで、1杯口に入れてみた。そうすると、こんなおいしいものを食べたことがない。と9ヵ月ぶりの味を大変喜び飲み込んだ。

主治医の先生に相談・検査していただいたところ嚥下障害の改善が認められた。「歌の力・声の力」で奇跡的に嚥下障害を克服することに成功し、最高の恩返しプレゼントとなった。現在介護度5で、食を楽しみ、毎日マフラーを編み、一緒に歌唱・体操をして楽しんでいる。

来年の100歳の記念に、故郷に帰ることを何度も話題にして楽しみにさせている。その度に「頑張るぞ!!」と一緒に叫んでいる。今日も施設関係者の皆さんの親身のお世話に感謝し、寂しい思いをさせたくないと思い通い寄り添って「最後の恩返し実践中」。  (大阪日日新聞平成28年5月7日掲載記事)

大阪市城東区 守田悦雄 会社役員 72歳